感染と消毒 2025 Vol.32 No.2 p.14-16
入門講座
微生物の基礎知識:マイコプラズマ肺炎(Mycoplasma pneumoniae pneumonia)
大石 智洋
マイコプラズマ肺炎は,学童や若年成人を中心に,これまで約4 年ごとの流行を送り返していたが,COVID-19 の流行後,しばらくその流行を認めなかったが,2024 年に約8 年ぶりに大きく流行した.原因となる病原体であるMycoplasma pneumoniae は,感染者の飛沫感染による咳嗽などで伝播するが,細菌でありながら細胞壁を欠くなどの特徴を持っているが,近年,これまで治療薬の第一選択であったマクロライド系薬に対する耐性が問題となったため,その治療方針について検討がなされたことで,マクロライド耐性率がCOVID-19 流行前の5 ~ 6 割から横ばいの状況が続いている.