感染と消毒 2025 Vol.32 No.2 p.57-59
滅菌管理部門の現場から一言
整形外科医が求める滅菌管理
小久保 安朗
外科医にとって手術部位感染は最も避けたい合併症の一つである.特に無菌組織の手術を行う整形外科医は,普段から徹底した感染予防策を講じている.一方で,洗浄・滅菌に対する知識は乏しいと言わざるを得ない.滅菌供給部門は,外科医と日常的にコミュニケーションをとり,洗浄・滅菌に関する知識を提供し,滅菌器に入れた物が全て滅菌されているわけではないことを知ってもらう必要がある.そのためには,性能適格性確認まで含めたバリデーション,それに基づいた日常管理を行い,その証拠を残さなければならない.外科医を味方につけるために,滅菌供給部門はガイドラインに則った業務を行う必要がある.