洗浄・消毒・滅菌 Q&A

回答については、質問をいただいた時の基準に沿って回答しておりますので、現時点とは異なっている場合もございます。

検査室で使用後の採血管を滅菌処理をして医療廃棄物容器に入れています。滅菌処理をする必要はあるでしょうか。(J.Y.)

廃棄物処理法に基づく「感染性廃棄物処理マニュアル(令和4年6月、環境省)」によれば、試験管等の検査器具、有機溶剤、血液、臓器・組織等のうち、人が感染し、若しくは感染するおそれのある病原体が含まれ、若しくは付着するおそれのあるものは、「感染性廃棄物」と称せられています。

発生した感染性廃棄物を自ら中間処理する場合には、次の方法により、廃棄物の感染性を失わせなければなりません。感染性を失わせる処理法には、オートクレーブ滅菌、焼却法、溶融法などがあります。感染性を失った処理残渣等は、非感染性廃棄物として処理できます。

焼却設備、溶融設備、滅菌装置を有していない場合や、滅菌もしくは消毒を行うことのできない場合は特別管理産業廃棄物処理・処分業者等に委託して処理・処分しなければなりません。

医療関係機関等が感染性廃棄物の処理を特別管理産業廃棄物処理業者に委託する場合は、受託者が都道府県知事から感染性廃棄物の収集運搬又は処分の業の許可を受けた者であることを確認しなければならないとされています。

感染性廃棄物を適正に処理するためには、その性状等を十分把握する必要があります。 このため、感染性廃棄物の処理を委託する際には、業者が取扱い方法を誤らないよう、感染性廃棄物の種類、性状等に関する情報を十分伝えることが必要です。感染性廃棄物の処理の流れを的確に把握し、最終処分まで適正に処理されたことを排出事業者である医療関係機関等が自ら確認するための方法として紙マニフェストを交付することとされています。

ご質問にある使用後の採血管を滅菌処理した場合には非感染性廃棄物として通常の非感染性医療廃棄物としての処理ができますが、医療機関で滅菌処理せずに感染性廃棄物として処理・処分する場合には、特別管理産業廃棄物処理業者にマニフェストを交付して委託して下さい。

詳細につきましては、感染性廃棄物処理マニュアル(令和4年6月、環境省)をご参照ください。


大久保 憲(医療法人幸寿会平岩病院 院長・東京医療保健大学 名誉教授)
2024年01月
感染と消毒ホームページ事務局(幸書房内)
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