・4％クロルヘキシジングルコン酸塩液（いわゆる洗浄剤含有4％クロルヘキシジン液，4％CHG製剤と略す）のシャワー浴等での使用事例について
わが国でも研究会などで、術前シャワー浴での4％CHG製剤の使用事例を拝聴したことがあります。

・その有効性について
クロルヘキシジンは皮膚に吸着されやすい特性があり、かつin vitroで黄色ブドウ球菌などに強い抗菌力を示します。しかし、4％CHG製剤を用いた術前シャワー浴と石けんを用いた入浴などとでSSI（手術部位感染）の発生率に有意差は認められていないのが現状です^1-3）。

・術前シャワー浴での4％CHG製剤の使用の可否について
わが国では、4％CHG製剤の適応は手指消毒で、それ以外の適応はありません。また、シャワー浴の際に誤って4％CHG製剤が眼に飛入すると、重篤な角結膜障害が生じます^4,5)。0.1％濃度以上のクロルヘキシジン液の眼飛入では、痛みのみならず不可逆的な障害が生じる可能性があるのです^6,7)。したがって、術前シャワー浴での4％CHG製剤の使用は差し控えていただくのが賢明です。