腹部エコーなどで使用するプローブは、通常、正常な皮膚に接触する器材(ノンクリティカル器材)に分類されるため、原則として消毒は不要です。使用後は、体液や超音波ゼリーが乾燥する前に速やかに除去します。検査・処置ごとに、有機物を残さない確実な清拭を継続することが重要です。
易感染患者もしくは多剤耐性菌汚染症例への使用後など、消毒が必要と判断される場合には、第四級アンモニウム塩や消毒用エタノール1)などが用いられます。ただし、使用可能な消毒薬はプローブの材質や機種によって異なるため、必ず添付文書の指示に従う必要があります。
使用が禁止されている薬剤は、プローブの被覆や接着部の劣化を招く可能性があります。また、同じ種類の消毒薬であっても、使用可能な濃度や接触時間、浸漬の可否は機種ごとに異なる場合があります。日本救急医学会のPOCUS指針でも、消毒薬によるプローブ損傷のリスクが強調されており、すべての機種に共通して推奨できる薬剤は存在しない2)とされています。
臨床現場では、添付文書で使用可能とされている消毒薬を含浸した清拭クロス(例:第4級アンモニウム塩含浸クロス、エタノール含浸クロスなど)を用いることで、検査・処置ごとに清拭洗浄を確実に行うとともに、必要時の消毒を簡便かつ効果的に実施できます。
引用・参考文献
- 一般社団法人日本超音波検査学会;感染対策マニュアルVer. 1.1、2024年
https://www.jss.org/wp-content/uploads/medical-infection_manual.pdf - ⽇本救急医学会 Point-of-Care 超⾳波推進委員会;⽇本救急医学会救急 point-of-care 超⾳波診療指針、日本救急医学会雑誌、33巻7号、2022、338-383.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jja2.12715
小野 和代(東京科学大学病院 看護部 副看護部長 医療安全管理部GRM)
2026年07月