今回は混同を避けるため、吸引チューブを「吸引カテーテル」、吸引チューブと吸引瓶をつなぐチューブを「接続チューブ」と記載します。
接続チューブの交換頻度は、施設ごとの運用差があり、一般的には「週1回交換」で問題ありません。感染リスクや患者背景に応じて施設ごとに調整すべきです。国際的に統一したエビデンスはありません。
●運用例
1)接続チューブ
患者個人の使用であれば「週1回交換」で問題ありません。毎回使用後は、吸引カテーテルから水通し用の水を吸引し、接続チューブ内も十分に洗浄します。
老人ホームなどでは、吸引瓶・接続チューブは2週間に1回交換が行われています。月1回でも可とする見解1)もあります。
2)吸引カテーテル
病院では、気管内用は単回使用(ディスポーザブル)が原則です。
在宅では資材制限のため、気管内用は1日1回交換、口腔・鼻腔用は1~3日ごとの交換が多いようです。
院内肺炎予防のために、吸引関連器具は適宜消毒・交換を行ってください。
3)国際的視点
統一的な交換頻度は示されていませんが、WHOなどでは器具の性状や使用環境に応じた指針が必要とされ、「標準化された交換間隔」よりも患者リスク評価に基づく個別の対応が求められています。
●結論
接続チューブは個人専用で使用し、「週1回交換」で多くの施設は運用しており、エビデンス的にも大きな問題はないとされています。ただし、汚染が明らかな場合は即時交換、また患者の感染リスクや施設環境に応じて柔軟に調整して下さい。例えば、ICU患者や免疫抑制患者ではより短い間隔での交換を考慮します。また、在宅では資材制約を考慮し、2週間~月1回の交換でも可とされる場合があります。
引用文献
- 尾家 重治:洗浄・消毒・滅菌Q&A、感染と消毒、2021年9月
https://www.disinfection.co.jp/qa/2109-03.html