直射日光が当たらない窓側であっても、反射光などがあたる可能性があります。したがって、希釈後の次亜塩素酸ナトリウムは遮光容器(褐色ビンなど)やアルミホイルなどでカバーした容器で保存するのが望ましいです。そうすれば、1か月程度は保存できます1-3)。
図1のように、直射日光下では次亜塩素酸ナトリウムは数時間で大幅な効力低下を示します。また、図2のように、直射日光がほとんどあたらない窓を閉めた実験室内の実験で、遮光しないと緩徐な効力低下を示しています。これらのデータから、希釈後の次亜塩素酸ナトリウムは遮光保存が望ましいです。
なお、次亜塩素酸ナトリウム製品を0.1%(1,000 ppm)液などに希釈して保存しておく方法がよく行われています。ノロウイルスやディフィシル菌(Clostridioides difficile)の芽胞などの消毒に用いるためです。しかし、希釈して保存よりむしろ希釈済み製品の利用が勧められます。なぜなら、希釈済み製品は含有濃度が確実で、使用期限の表示もあるからです。0.1%次亜塩素酸ナトリウム液(次亜塩0.1%液「ヨシダ」, ヤクラックス消毒液0.1%)や、0.1~0.5%次亜塩素酸ナトリウム含浸ワイプ(サラヤ ジアクロス)などが市販されています。
図2. 各種容器中での0.1%(1,000 ppm)次亜塩素酸ナトリウムの濃度変化
Rutala WA et al : Infect Control Hosp Epidemiol 19, 323-327, 1998 より引用, 一部改変
引用文献
- Bloomfield SF, Sizer TJ: Eusol BPC and other hypochlorite formulations used in hospitals. Pharm J235, 153-157, 1985.
- Rutala WA, Cole EC, Thomann CA, et al: Stability and bactericidal activity of chlorine solutions. Infect Control Hosp Epidemiol 19, 323-327, 1998.
- Coates D: A comparison of sodium hypochlorite and sodium dichloroisocyanurate products. J Hosp Infect 6, 31-40, 1985.
尾家 重治(山陽小野田市立 山口東京理科大学 薬学部)
2026年01月